世界の核被害者の状況

        <左2003年7月 「この子を撮って!」腹水がたまったわが子を抱いた母 バスラの病院にて> 

        <右2002年12月 バスラにて 劣化ウラン弾で破壊された戦車の放射能を測定> 

                                              (撮影 森滝春子)

広島・長崎原爆投下による被害

広島・長崎への原爆投下は、1945年8月の計2発の投下により広島で約35万人の人口のうち、約14万人が1945年末までに死亡。長崎で約24万人の人口のうち、約7万3,884人が死亡。約18,409戸の建物が被害(全焼・全壊)を受けた。熱線、爆風、急性放射線障害により一瞬で街は壊滅し、その後数年で原爆症で多くの方が亡くなった。 

ウラン採掘/精錬・核燃料製造・核廃棄物被害

危険性を知らされずに労働を行い被爆したウラン鉱山の労働者の健康被害、 採掘や精錬の過程で生じる大量の放射背物質を含む残土による環境汚染、採掘や汚染の被害は、経済的・社会的に弱い立場にある先住民族コミュニティに押し付けられ、核の人種差別なの社会問題として指摘されています。

 

核実験による被害

世界の核実験は1945年から2000回以上実施され、主に米ソ仏中英により行われました。大気圏内核実験による「死の灰」は地球規模で拡散し、マーシャル諸島やネバダ州など実験場周辺の住民や軍人、第五福竜丸などに、がんや健康被害、環境汚染、強制移住などの長期的で甚大な「グローバルヒバクシャ」被害をもたらしました。 


原発による事故・被害

世界の原発事故は主に、チェルノブイリ(1986年、旧ソ連)と福島第一(2011年、日本)のレベル7事故が深刻で、広範囲の環境汚染、長期的な健康影響、数十万人の避難をもたらしました。重大事故は約15〜22年に1回の頻度で発生しており、放射性物質拡散による影響が長引く特徴があります。 

 

劣化ウラン弾による被害

劣化ウラン弾は、湾岸戦争やイラク戦争などで使用され、放射線毒性と重金属毒性により、現地の住民や兵士にガン、白血病、先天性障害などの健康被害をもたらしています。微粒子化したウランは長期間環境を汚染し続け、生態系や次世代にも影響を及ぼし続ける「静かなる大量破壊兵器」です。 

核軍縮・核兵器禁止条約へ

NPT(核兵器不拡散条約)は1970年発効の核保有5大国を認める既存の軍縮枠組みで、核拡散防止・軍縮・平和利用を3本柱としています。

一方、核兵器禁止条約(TPNW)は2021年発効の核兵器を法的に完全禁止・廃絶する初の条約であり、非核国が主導してNPTの不十分さを補完しています。